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すま~ふからの手紙 (By さくらパパ) 




『かあさんの唄』(スマーフからの手紙)

かあさん、スマーフよ
私は、とってもとっても長い間、かあさんと一緒に過ごすことが出来て、ほんまに幸せでした

今、こうして静かに、今回の人生を振り返る時、私は鼻の先からしっぽの先まで、しびれる程の幸せに満たされます
私の気持ちは、かあさんには、十分分かってる、伝わってると思うけど、それでも言わせて下さい

ありがとうございました・・・って

ほんまに、長いことお世話をかけちゃったわね
ごめんね

私は、ここ何ヶ月かの間は、身体から抜けたり、また戻ったりを繰り返していました
身体に戻っていたのは、静かにかあさんに撫でてもらっている時や、ご機嫌な時
少し調子が悪くなって、苦しくなった時は、簡単に身体から抜け出て、お世話をしてくれてるかあさんの様子を見てたんよ

最期を迎えた時は、ちゃんと身体の中に入ってたよ
かあさんは、ずっと私のそばで見守ってくれていた
だから、何にも怖くなかったよ
かあさんが、私をしっかり抱っこして、おでこを私のおでこにくっつけて、身体を撫でてくれた
かあさんの腕の中で、私は今回の人生を鮮やかに思い出していた

かあさんに初めて会ったのは、もうずいぶん昔になるんやね・・・・
テニスコートの近くに捨てられた、子犬の私と、テニス大好きだったかあさん
今から思えば、私はかあさんに会いたくて、わざと捨てられたんと違うやろか?
何か、そんな気がするんです

かあさんは、私を連れて帰り、飼う自信がないと次の日にまた、元の場所に戻した
でもね、かあさん
私は、分かっていました
このやさしい人は、明日もう一度迎えに来てくれる、そうすれば幸せな毎日が待っているって・・・
だから、一晩待つ間も、全然不安はなかったの
幸せになる前の晩、しあわせイブ(*^_^*)だったのね
かあさん、もしかして今もあの時、飼うのを一回あきらめかけたことを後ろめたく思ってるんとちがう?
そんな必要はないわよ(^^)
だって、かあさんは次の日、ちゃんと連れて帰ってくれて、それから今までこんなに長いことお世話してくれはったやん

かあさん、あのとき連れて帰ってくれて、ほんまにありがとうね

あれからの私は、世界でいちばん幸せでした
毎日毎日、お散歩に連れて行ってくれたね
私は歩くことが大好きやったから、かあさん大変やったやろ?
ありがとうね
天満宮の梅の花のいい匂い、光○寺の新緑や紅葉、城跡、満開の桜

ドライブや旅行にもいっぱい連れて行ってくれはったね
助手席に乗せてもらう時のウキウキした気分は、思い出してもしっぽを振ってしまうわ(^^)
お泊まりの信州旅行や、海辺に連れてってもらったこと

あれから何回夏を過ごしたんやろ?
数えられへんくらい、長い歳月

ありがとう、かあさん
ほんまにありがとう

夢みたいに楽しい生活やったけど、あまりにも楽しい生活やったから、私は自分が年老いていたことに気がつかへんかった
自分はしっかりしてる、つもりやった

けど、気がついた時は自分が見覚えのない場所で、帰り道が分からなくなっていた
心細い夜をを過ごした後、私は、かあさんに再会した
迷ったのは私なのに、なぜかかあさんが「ごめんね」って言った
あの時、かあさんはあちこちに貼り紙をしたり、たずねたりして、必死で探してくれていたんやと、今初めて知った

かあさん、ごめんね、何も知らなくてほんまにごめんなさい
そして、探し出してくれて、ありがとう

それから私は、眠れないと言っては鳴き、その度にかあさんはそばに来てくれた
叱ったり、面倒くさそうにしたことなんか、一回もなかった

やがて、私は歩けなくなり、立てなくなった
かあさんは、寝たきりの私をベビーカーに乗せて散歩に連れて行ってくれたり、ドライブに連れて行ってくれたりした

かあさん、あの時の嵐山の紅葉、ほんまにきれいやったなあ
出会った人もみんな、やさしかったね

私にとっては、元気な時と、何にも変わらなかった

かあさんは、私をモチーフにしたホームページを作ってくれた
その名は「老犬スマーフの部屋」

全国に友達の輪が広がった
そして、ページを通じて知り合った人と実際に会ったり、家を行き来するようにもなった
みんなみんな、素敵なやさしい人ばっかり(*^_^*)
みんなに撫でてもらう度に、身体の中にジーンとうれしい気持ちが広がった

そして、この冬の初め頃から、私の身体はそろそろ卒業を迎えようとしているみたいでした

そして最期の時・・・
かあさんは今、こうしておでこをくっつけて
「スマーフ、ありがとう、ありがとう」
って、何回も言ってくれてはる

かあさん、それは私が言わなあかんことやんか
かあさん、ありがとう、ありがとう

私は、最後の深呼吸をした
すると、自分が身体から静かに抜け出ることが出来ました

私は、ずいぶん久しぶりに自分で立ち上がったの
すると、私はすーっと、天井の辺りまで浮き上がり、かあさんと、さっきまで私だった身体を見下ろすことが出来ました

すると、私の周りには、信じられないくらいたくさんの花が咲き、今まで嗅いだことのないいい匂いと、美しい音楽が聞こえてきました
かあさんの身体は、まるでダイヤモンドをいっぱいくっつけたみたいに、キラキラ光ってはる

どうやら、私は無事に死んだみたいでした

翌日、たくさんの人が私にお別れに、そしてかあさんを励ましに来てくれました
ホムペ友達も本当にたくさん(*^_^*)
みなさん、ありがとうございました

私が地上でいちばん愛した彼氏、ラッ君も来てくれたの
ラッ君も、足が不自由でラッ君のママさんが、いつもお世話してはるんです
ラッ君が、ママさんやかあさんに促されて、私だった身体にCHU!をしてくれたの!
うれしかったわ(^^)/

そのとき、うしろから
「あっ、いいんだぁ~っ」
ていう、声が聞こえたので振り返ると、いつ来たのかしら、白い大きなワンコが黒パグちゃんの口を押さえて笑ってたの

ラッ君が帰る時、私も自分の足で歩いて玄関に出たの
すると、今にも降り出しそうな雲の中に、1つだけぽっかりと穴が開いて青空が見え、そこからお家の前に大きくて立派な虹の橋が降りてきてたの

この橋のことは何度も聞いてよく知ってたの
私は、ゆっくり橋を上り始めました

下を見ると、かあさんが友達を送り出している
かあさんは、キラキラ輝いて見える

少し向こうを見ると、真冬だというのに天満宮の梅が満開になっているのが見える
そしてその向こうには、鴨川沿いの桜が満開
反対側の嵐山は紅葉の真っ盛り

地上の美しいものを一度に見ながら私は橋を渡りきりました

するとそこにはたくさんのお迎えが来てくれていました
まず、さっき笑ってた白い大きなワンコと黒パグちゃん
「めいと申します(^^)スマちゃん、待ってたんえ、京都の思い出話、ぎょうさんしようなぁ」
「おばちゃーん、ぷうです」

2人は、私がちゃんと橋を渡れるか心配で家まで来てくれたんやって
他に、
魔女のちぃたん(^^)/、柴のモモちゃん、犬太くん、ビーグルのももちゃん、ラブさん
なんだか、遠い昔から知ってたみたいで、家族に再会したような気分やわ(*^_^*)

私は、モモちゃんのトロッコに乗せてもらい、みんなが「光さん」と呼んでいる方のところに行った

「スマーフ、お疲れさま、どうでしたか?今回の旅は?」
「光さん、ありがとうございます。素晴らしい人生でした。でも、私の幸せのためにかあさんの大事な人生をずいぶん使ってしまいました。こんなに大事にしてもらっても、よかったんでしょうか?」
「それは、心配いらないわスマーフ(^^)」

それから、光さんは、私の人生の意味についてお話をして下さったの

地上に生きるものは、生きているだけでも大事な意味がある
私が、今回不自由な身体を持って生まれたのは、本物の愛に気付く必要があったからなんですって

元気な時は、誰だって、周りと仲良くできる
でも相手の身体が不自由になったら
まして、それがワンコだったら・・・・・・

光さんは、その課題を私とかあさんの2人に与えたらしいの
光さんは、私が動かなくなった時、もしかあさんが「安楽死」という道を選んでも、それが愛に満ちたものだったら、それはそれで認めるつもりだった

でも、かあさんはそんなことは、露ほども考えなかった
かあさんは、私の世話をすることに喜びさえ感じてくれていた(T_T)

それどころか、元気に生きている人に愛情を与え続けた
こんなことは、そうそう出来るもんじゃない
かあさんの生き方は、すべての人に感動を与えただけじゃなく、健康とは?生きがいとは?ということについて、問題を投げかけた

それを通じて多くの人が、命の価値を見直し、勇気と希望を持った
それを見届けたから、光さんは私を呼び戻した

光さんは言った
スマーフ、あなたはよく生きました
不自由な身体で、十分愛を与えられ、そして与えました
これからは、健康な身体で思い切り楽しんで暮らしなさい
でも、かあさんを守ることだけは忘れないようにね
かあさんには、必ず会えます 心配いりませんよ(^^)

光さんは、私に乗り物をくれました
どんな乗り物だと思う?
それは、地上で私が乗っていたベビーカー、そう、かあさんがいつも押してくれていたあのベビーカーです
これにのれば、いつでも、どこへでもすぐに飛んでいけるのだそうです

光さんの所から戻ると、みんなが待っていてくれました
すると、みんなが「シェフ」って呼んでいる男の人が
「スマーフ、これは特別に作ったもんや(^^) 食べてみ?」
と、言いながら、1本のジャーキーを渡してくれた

クンクン、においを嗅ぐと、地上でかあさんがくれていた、あの美味しいジャーキーのにおいがした
それを一口食べると・・・・・・

私の身体は、だんだん大きくなり、私が元気だった頃の大きさに戻った
「今までの君は、かあさんが抱っこしても疲れへん大きさやった。これからの君はその位がいちばんええ(^^)」
「ありがとう、シェフ」

ちいたんが言った
「あんたは、何百年かに一頭だけ地上に姿を現す、不思議なワンコだったんだよ。これまでそのワンコを見た人は、白いキツネと間違えて神とあがめたものさ」
ほんまやろか(^^)

かあさん、私がこっちに来ちゃって寂しい?それとも肩の荷が下りた?
確かに、今までは一日中、私のお世話をしてくれたはったから、
『これから毎日、何をして暮らせばええんやろ』
なんて思ってはるんとちゃうやろか?

かあさん、これからはどうか、私がいた時には出来なかったことを思い切りして下さい
テニス、旅行、買い物、電車でお出かけ
いっぱいしてなあ(^^)

かあさん、私って口下手やから、何日かかっても十分にお礼を言うことは出来ひんわ
でも、こんなに大事にしてもらったワンコは他にいない、自信を持ってそう思うんよ

光さんにもらったあのベビーカー、乗って走るとひこうき雲が出るんよ(^^)/
晴れた日は、お空を見てね
そして、ひこうき雲を見つけたら手を振って下さい

私も手を振り返します(^^)/

かあさん、私はいつでもかあさんのそばにいます
今度かあさんに会った時は、私がかあさんの面倒を全部みてあげるわ

かあさん、ありがとう、ほんまにありがとう
そして、いろいろお世話をかけてごめんなさい

こちらの世界でもかあさんにもらった暖かい愛を忘れないで、みんなと仲良く、楽しく生きていきます

かあさん、どうか幸せになって下さい
いつも、いつまでもそばで静かに応援してます

ありがとう、今度逢える日まで、さようなら(^^)/~~~

<かあさんの唄>
私が愛したかあさんに、心を込めて届けます
かあさん、今までスマーフを、育ててくれてありがとう
私は今日までこんなにも、幸せいっぱい生きました
どんなにお礼を言ったって、まだまだ、とても足りません

私が愛したかあさんに、笑顔をいっぱい届けます
初めてあなたに会ったのは、まだまだ小さな頃でした
あの日を境にスマーフは、あなたの子供になりました
ほんとに毎日大切に、あなたは育ててくれました

私が愛したかあさんに、想い出たくさん届けます
かあさん二人で出かけたね 海、山、川に街の中
行く先々でかあさんは、私を抱き上げ言いました
いついつまでも一緒だよ、来年もまた、来ようねと

私が愛したかあさんに、感謝をいっぱい届けます
身体が弱って動けない、そんな私を抱き上げて
あなたは笑顔で言いました いてくれるだけでいいのよと
そのひと言でスマーフは、生きて行こうと思ったの

私が愛したかあさんに、言っておきたいことがある
私がいた時、したくても出来なかったことあるでしょう
テニスに旅行にお買い物 これから十分楽しんで
毎日元気に過ごしてね いつも応援してるわよ

私が愛したかあさんは、地上にたったひとりだけ
世界でいちばん大切な 愛を教えてくれました
私はこちらで友達と、毎日楽しく暮らします
あなたが、こちらに来る時は忘れず迎えに行くからね
慌てず身体を大切に、いついつまでも元気でね
いつか、必ず会いましょう 

ほんとにほんとにありがとう





















さくらパパさん
素敵な素敵な手紙を届けてくださって
本当にありがとうございました。

深く深く感謝しています。



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